CardWirth感想掲示板
深海の盟主たち - ウィル
2009/07/23 (Thu) 21:56:50
作者 : ブイヨンスウプさん
対象レベル : 3~5
ジャンル : 探索、ロングシナリオ
このシナリオは、プレイヤーが物語に集中できるよう、
情報の出し方にとても配慮してある作品です。
例を挙げますと、このシナリオでは早い段階で、PCの方針転換があります。
これってプレイヤーにとってはおおごとなのです。
行動方針は、プレイヤーの頭がまっさらなシナリオ初期に入ってくる情報で、
しかもPCの行動の軸にあたる、とても大事なものです。
だから、良くも悪くも頭に残りやすい。
そのため方針転換した際、そのことをしっかり説明しておかないと
古い方針が書き換えられず、頭に残ったままになり
「なんでうちのPCは、こんなことやってるんだっけ?」
ということになりかねません。
このシナリオの方針転換の場面では
NPCがしっかりと、2度でも3度でも説明を繰り返してくれますし
PCも「つまり我々はこうすればいいわけだな」
「最初はあんな依頼だったのに、こんなことになってしまった」
と口に出してくれるのです。
こういうのをサービス精神というのでしょう。
セリフ分けだけがサービスじゃ、ない。
Re: 深海の盟主たち - ウィル
2009/07/23 (Thu) 21:57:09
このシナリオが情報の出し方に気を配っているという例を
もうひとつあげますと
名前が出てくるNPCが、一人だけなのです。
名前を出されてしまうと、プレイヤーは
「●●(人物名)=××の兄(シナリオにおける役割)」
という図式を覚えなくてはいけないわけです。
もう少し情報量の少ないシナリオなら、
兄の名前を出せる余裕があったかもしれません。
でもこのシナリオの場合は、PCの方針転換に始まり
部族の一部がPCを目の敵にしていることや、部族の過去話、
PCが手紙を届ける相手、その相手を起こす手がかり、
巨大な軟体生物の存在…etc.
情報が大量にあり、しかもこのうちのどれか一つでも削ってしまうと
あの話は成り立たないのです。
大量の情報でいっぱいいっぱいの頭で、NPCの名前が出るたびに
「●●? だれだっけ、ああ××の兄か」
をやっていたら、
ストーリーを追うどころの話ではありません。
だからNPCの名前は出さずに、「長老」などで済ませているのでしょう。
こんな具合に、このシナリオは
プレイヤーに覚えてもらうことをしっかり覚えてもらって、
覚えなくていいことは、ばっさり切り捨てているのです。
そのおかげで、プレイヤーはストーリーを追うことに専念できる。
こういった一見分かりにくい工夫が
このシナリオの魅力を影で支えているのだと思います。
Re: 深海の盟主たち - 鹿之助
2009/07/23 (Thu) 21:57:30
CardWirthにおけるひとつの究極を具現しているシナリオです。
まともに立ち向かってはどうにもならない相手、状況、それらに勇気と機転を持って挑む冒険者たちが余すところなく描かれています。高い文章力と心憎いPC・NPCの描写、心躍る展開、ストーリーも演出もまったく文句ありません。ゲーム性もHEXによるマップ移動、徘徊する敵、索敵、ランダムマップ生成、ギミック戦闘等々、盛りだくさんです。
通常のシナリオとは段違いの難易度ですので、セーブ&ロードは必須となっています。気合を入れてプレイしましょう。この難易度に一度慣れてしまうと、もうヌルいプレイには戻れませんよ。
Re: 深海の盟主たち - 匿名希望
2009/07/23 (Thu) 21:57:51
傑作だが、負けバトルを強制されるのだけが難点。
「負けたら先に進める」というヒントがなく(当たり前だが)、ゲームオーバーになるリスクをプレイヤーが背負うため、ストレスになるからだ。
Re: 深海の盟主たち - 化け猫
2010/07/11 (Sun) 12:00:52
方針転換があること自体マイナス
負けを強制することも最悪
カナン王を素手で撲殺した回復防御特化のキャラに
どうやって負けろと?